自動車ローンと過払い金について

過払い金は、消費者金融からの借入れがある場合や、クレジットカードのキャッシングの利用がある場合に発生していることがあります。

それらの会社の中には自動車ローンの融資を行っている会社もあるので、「同じお金の借入れである以上、自動車ローンについても過払い金が発生しているのではないか」とお考えになる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、結論から言うと、自動車ローンについて過払い金が発生しているということはまず考えられません。

過払い金が発生し得る会社が相手であっても、通常のキャッシングと自動車ローンとでは、金利等に明確に違いがあります。

先ほど述べた通り、自動車ローン自体には過払い金は発生しませんが、その会社との別のキャッシング取引について過払い金が発生しているということはありえます。

完済しているキャッシング取引について過払い金の返還請求をしても、基本的には信用情報等の問題が生じることはありません。

しかし、請求先の会社との間で自動車ローンを組んでおり、その自動車ローンが残っている状態で過払い金返還請求を行うと、場合によっては自動車の引き揚げなどをされるおそれもありますので、注意が必要です。

また、過払い金の請求をした後で自動車ローンを組もうとした場合に、過払い金の請求先である会社を利用して自動車ローンを組むことができない可能性があります。

これは信用情報の問題というよりは、一度そうした請求側・請求される側という関係になっている以上、事実上融資を受けられない可能性があるということです。

このように、過払い金と自動車ローンとは直接的にはあまり関係がありません。

ただ、これから過払い金を請求しようという場合に、実はその会社で自動車ローンを組んでいたということが後から判明すると、ややこしい問題になる可能性もあります。

そのため、もしそれに該当する場合には、過払い金を請求する前に弁護士にその旨をお伝えください。