「債務整理」に関するお役立ち情報
債務整理と信用情報への影響
1 債務整理をすると信用情報にどのような影響が出るか
債務整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されることになります。
債務整理の手続きを行うことで「ブラックリストに載る」等といわれますが、これはこの事故情報の登録を指すものであり、実際にブラックリストというものがあるわけではありません。
事故情報が登録される信用情報機関には、CIC、JICC、KSCがあり、それぞれ特徴があります。
以下では、例として任意整理を行った場合の信用情報機関の取扱いについてご説明いたします。
2 CICの場合
CICのサイトのQ&Aを見る限り、「債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません」という回答になっていることから、任意整理を始めた、弁護士に依頼した、という事実自体が登録されることはないようです。
参考リンク:指定信用情報機関のCIC・よくあるご質問
もっとも、「延滞日から61日以上または3か月以上の支払遅延」や、「保証履行が行われたもの」については、異動情報として登録されるものとなっています。
任意整理のご依頼を受けてから交渉がまとまるまでには数か月を要するケースがほとんどですので、異動情報の登録は避けられないものと思われます。
また、保証履行というのは、特に銀行からの借入れについての債務整理を行う場合、保証契約をしている貸金業者が債務者に代わって銀行に返済をすることを指します。
そのため、銀行関係の債務整理をする場合には、保証履行が行われたとして異動情報が登録されることになります。
その後、完済から5年間は情報が残されます。
3 JICCの場合
JICCの場合、2019年9月30日以前の契約または貸付けについては「取引事実に関する情報」として、当該事実の発生日から5年を超えない期間登録されるとされていました。
任意整理であれば、弁護士の介入通知を確認した時点が起算点となります。
一方、2019年10月1日以降は、「契約継続中及び契約終了後5年以内」とされていますので、従前よりも登録期間が長くなっています。
4 KSCの場合
KSCでも、CICと同様、債務整理の事実そのものを理由とした登録はないようですが、延滞の事実と、代位弁済の事実については登録されることになっています。
サイト上では「契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間」と記載されていることから、登録機関の取扱いについては2019年10月以降のJICCにおける取扱いと同様になると思われます。