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おまとめローンと債務整理の違い

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2024年7月12日

1 おまとめローンと債務整理

借金問題の解決手段の1つとして、いわゆる「おまとめローン」が挙げられます。

これは、基本的に弁護士が介入するものではなく、多数ある借入先を1つの借入先にまとめて一本化する方法で、通常は利率も減ることになります。

弁護士が介入して行う債務整理、特に任意整理とどのような違いがあるのか、比較して説明したいと思います。

2 おまとめローンは信用が維持できる

おまとめローンを利用する場合の最大のメリットは、債務整理を回避することによって信用を維持し、ブラックリストへの登録を回避する点にあるといえます。

債務整理をする場合、弁護士が介入したことを債権者に通知することによって、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆる「ブラックリストに載った」状態になります。

そうすると、各審査に影響することから、一定期間は新たにクレジットカードを作ったりローンを組んだりすることが難しくなります。

そのような不利益を回避する手段として、信用情報に登録されないおまとめローンという方法を利用することには一定のメリットがあるといえます。

特に、近いうちに住宅ローンや車のローンを組む予定がある場合には、おまとめローンは有効な選択肢となってくるといえます。

3 おまとめローンを選択した場合の注意点

⑴ 利息の支払いが続く・増える可能性がある

上記のとおり、おまとめローンは借金問題に対する1つの選択とはなります。

しかし、弁護士が介入して任意整理等を行う場合と異なり、おまとめローンを利用する場合には、その後も少なからず利息の支払いが続くことになります。

良い条件で審査が通り、利率を大幅に下げることができればよいですが、数%しか変わらないことも十分あります。

また、利率が下がるのと同時に毎月の返済額も下げることになる場合には、ほとんど利息だけを支払う返済内容になっていることもあります。

こうなってしまうと、毎月返済を続けても借金がほとんど減っていないということになりますので、多少利率が下がったとしても、完済するまでに支払うことになる総額は元より増えていることにもなりかねません。

⑵ 総債務額が増えるきっかけになる可能性もある

また、おまとめローンで借入れを一本化したことで、もともと借り入れをしていた貸金業者からは追加の借入れができるようになりますので、結果的に総債務額が増える結果になってしまう方もいます。

その場合、そうなる前に対応していれば任意整理での解決が見込めたのに、借入額が増えてしまったがために、自己破産等の法的整理をせざるを得なくなってしまうという結果を招きかねません。

4 弁護士に債務整理を依頼した場合

3で挙げた点について、では弁護士が任意整理をした場合はどうなのかというと、多くの業者は将来利息ゼロでの和解に応じてくれますので、和解成立後は元金のみ返済していくことになります。

先ほどの例だと、おまとめローンの場合は毎月の返済がほとんど利息の支払いになってしまう可能性があると述べましたが、任意整理の場合は返済額すべてが元金に宛てられると考えることができるのです。

返済する金額面での違いが大きいことがよく分かるかと思います。

おまとめローンを使えば信用を維持できるものの、相当額の利息の支払いが必要となる点、場合によってはさらに債務を増やしてしまうこともある点には注意すべきです。

メリット・デメリットを踏まえて、おまとめローンにするのか、それとも債務整理にするのか、まずは一度弁護士に相談することをおすすめします。

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